ドイツで就職するメリットと注意点- ワークライフバランス先進国で働くためのポイント

ドイツで就職する魅力としては、欧州経済の中心ということもあり生活水準は高く、安定した社会保障があるということが挙げられます。ドイツはワークライフバランス先進国として知られており、仕事とプライベートをきっちり分ける人が多いため、働きやすい環境であると言えるでしょう。

一方で、ビザの取得や日本とは異なるビジネス文化に戸惑い、泣く泣く帰国を選ぶケースも少なくありません。事前に注意点やポイントを押さえておくことでより良い計画を立てられることでしょう。 本記事では、ドイツ就職のメリットと同時に押さえておくべき注意点を詳しく解説します。

ドイツで働く魅力|充実した労働環境と福利厚生

①安定した経済状況と充実した福利厚生 

ドイツはEU内でも特に経済状況が安定していて、給与の面でもヨーロッパ内でもトップクラスで高い手取り額と言われています。また、健康保険、年金保険、失業保険などの福利厚生も整っており、ドイツで就職したい人にとって、安心して住める国だといえます。

都市部では専門医の予約の取りにくさなどが問題視されていますが、医療施設も整っていて、会社員の人は法定健康保険(Gesetzliche Versicherung)に加入している場合、基本医療においては診療費の自己負担なしで治療を受けられます。また、扶養家族も追加の保険料なく加入でき、同じように自己負担なしで治療を受けることができ、妊娠検査や出産にかかる費用も保険でカバーされます。

                         

②労働環境と労働者の権利が保護されている 

 

ドイツでの労働環境は、日本やアメリカと比べて、かなりよいと言えるでしょう。法的枠組みや制度を通じて、労働者の権利と福利を非常に重視しているのです。 一度労働契約書に双方がサインすると、解雇保護法(Kündigungsschutzgesetz)によって雇用主側から解雇することは難しくなり、その点でも労働者が守られていると言えるでしょう。法律で決められている有給休暇は年間20日で、週末を入れると最低4週間となります。病気になった場合、医者からの診断書があれば、病気休暇を別途取得することができ、給与から引かれることもなく、有休を充てたりする必要もありません。また、キャリアアップのため、継続教育(Fortbildung)と呼ばれる社会人向けの教育を働きながら受ける人も少なくありません。企業によっては継続教育(Fortbildung)のために特別に休暇を与えるところもあります。

           

③ワークライフバランス 

基本的に週40時間労働で、週48時間を超える労働は原則禁止されており、これにより長時間労働が抑制されています。当然サービス残業などはなく、残業した分は給与に上乗せになるか、追加で休暇を取る権利を与える企業が一般的です(ただし、高額所得者や管理職はその限りではない)。つまり、先週は残業が多かったので、今週は週休3日で働くということもできるのです。労働環境と労働者の権利のところで触れたとおり、有給は最低20日と設定されていますが、これはあくまでも法律が定める最低の有給休暇日数であり、ドイツでは実際のところ、平均で約30日(6週間)の休暇が与えられていることが多いです。1回の休暇を1〜3週間程度とし、それを年に2、3回取る人が多いです。

就職の注意点|ビザ取得のハードルと文化の違い

①ビザのハードル 

日本人がドイツで就職し就労する場合は、当然ビザと労働許可が必要になります。多くの場合、ビザと労働許可は日本にあるドイツ大使館で申請しますが、入国後現地の外国人局で申請することも可能です。就職先が見つかったらすぐにビザの申請を始めますが、労働契約書があるからと言ってすべての申請が通るわけではありません。申請時点でのドイツの経済状況や、労働契約書に記載されている給与、申請者の学歴や職歴を鑑みて労働局(Agentur für Arbeit)が審査をします。人手不足の職業分野ではビザは発給されやすいですが、ドイツ人労働者からの求職も多い分野はビザの審査も厳しくなります。 

②文化、ビジネス文化の違い

ドイツでのビジネスシーンでは日本と比べ「物事をはっきりと主張する」「公私混同しない」「結果主義、合理主義」といった、日本での会社員生活では見慣れない環境があります。ドイツの職場ではこうした文化差が度々軋轢を招きかねません。また、ドイツでは試用期間(Probezeit)として一般的に6か月の期間が設定されています。無事採用されて労働契約書にサインをしても、この期間にチームに適応しないなどと判断されると、労働契約は継続しません。また、日常生活でドイツ社会になじめるかという問題もあります。特に家族連れで移住される方は、お子さんの学校環境なども悩ましい問題です。

③キャリアシステムの違い

日本のキャリアシステムでは、いわゆる総合職などに見られるように、オールマイティな人材の育成を目指すことが一般的かと思います。ですが、ドイツでは基本的に、特定分野の専門家を育てる文化があり、それは教育から職業まで一貫しています。例えば日本では、文学部を卒業した人がSEとして採用されるなどということも珍しくありませんが、ドイツではSEになりたいならIT関連の大学に進むといったように、将来を見据えて専攻を選ぶのが一般的であり、その専攻を卒業した上で、関連した職業に就くということが求められています。日本でITや医療関連といったいわゆる「手に職」タイプの専攻を卒業し、さらに関連分野での職歴を持っている人は、ドイツでも就職しやすいと言えるでしょう。

ドイツでの就職事情について、メリット、問題点に分けてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。メリットとしては、福利厚生が整っている、労働者としての権利が守られている、ワークライフバランスが取れていて、人生を楽しめる環境などが挙げられます。反対に、外国に住むわけですから、ビザの問題や文化の違いなど避けて通れない部分がありますね。CC-Nipponではドイツに就職する日本人を応援しています。お気軽にお問い合わせください。