ドイツで起業するには?法人編
ドイツで法人を設立する際、どのような形態があるのでしょうか。初期の資本金や、事業規模によって、様々な選択肢があります。個別にみてみましょう。

ドイツでの法人設立 最も一般的なのは有限責任会社(GmbH)
法人の形態として一般的なのは有限責任会社(Gesellschaft mit beschränkter Haftung, GmbH)と小規模有限責任会社(Unternehmergesellschaft, UG)の二つです。
①有限責任会社(GmbH)
資本金は最低25000ユーロ必要で、そのうち最低12500ユーロを設立時に出資する必要があります。フリーランスや個人事業主のように、税務署や商業登録を自分で行うだけでビジネスがはじめられるわけではなく、公証人(Notar)の前で定款を正式に認証してもらい、公証人が管轄の地方裁判所(Amtsgericht)に商業登記申請を行います。定款を作成する時点から弁護士(Rechtsanwalt)に相談するのが一般的です。商業登記簿(Handelsregister)で類似の会社名がないかも確認しておきましょう。
②小規模有限責任会社(UG)
それに対しUGは最低資本金1ユーロから設立可能です。資本金が少ないため設立のハードルが低くなりますが、反対に信頼性や融資での面ではハードルが高くなる場合もあります。また、UGの場合、初期の資本金は1ユーロですが、利益の25%を積み立てる義務があります。その金額が25000ユーロに達した時点で、UGからGmbHへの変更が可能になります。
③株式会社(Aktiengesellschaft)
最低資本金は50000ユーロからとなり、大企業や国際的な企業に多い形態です。株式市場での資金調達が可能になりますが、取締役会(Vorstand)と監査役会(Aufsichtsrat)が必要になります。

共同事業(GbR)と合名会社(OHG) 共同事業の代表的な2つ
ドイツでの起業形態は上記の選択肢が最も一般的ですが、共同事業という選択肢もあります。共同事業としてドイツでビジネスを展開するには主に2つの方法があります。
①民法上の組合(Gesellschaft bürgerlichen Rechts / GbR)
(改行)これは日本でいう任意組合に似ています。特に小規模なビジネスや一時的なプロジェクトに向いています。設立条件としては最低二人のパートナーが必要で、資本金は必要ありません。公証人(Notar)や商業登記(Handelsregister)は不要です。例えばウェブデザイナーとオンラインマーケターのフリーランスが共同で事業を行う場合などに適していて、スモールビジネスに向いています。
②合名会社(Offene Handelsgesellschaft / OHG)
こちらが2つ目の形態です。合名会社という訳にはなりますが、ドイツでは法人格ではありませんので、日本でいう合名会社とは厳密には異なります。OHGはドイツでは法人格を持たない一方、商業登記(Handelsregister)が義務付けられており、商取引において法人に近い扱いを受けます。大規模な商業活動を行う場合や取引先や銀行からの信頼を重視したい場合にはこちらの形態が合っているでしょう。
以上のように、事業の規模とリスク管理の観点から選択することが重要です。いずれにしても法人ではありませんので、全パートナーが無限責任を負います(事業負債に対して個人資産でも責任を負う)。
今回は、法人編としてまとめてみました。
前回も触れましたが、「法人を設立するにはどうしたらいいのか」という相談もCC-Nipponではよく受けます。
個人事業主と同様、ドイツで起業となると、法律的なことのみならず、税務についてもきちんと知っておく必要があります。
なかなか慣れない作業も多いですが、英語や日本語で対応してくれる専門家や、弁護士さん、税理士さん等をご紹介可能ですので、お気軽にお問い合わせください。