ドイツ移住が決まった人向け|【完全ガイド】現地手続き編
ドイツでの就職や駐在、学校への入学が決まりいよいよ移住本番という時、まずは何から始めればよいのでしょうか。移住直後は何かとバタバタとしやすく、何から始めればいいのか分からないという人も少なくないと思います。 準備編に続き、現地手続き編でもステップを踏んで説明していきます。
ステップ1: ドイツの住居契約と住民登録の進め方
①アパート入居
ドイツに無事入国し、アパートにやっと到着!と浮かれていてはいけません。通常、賃貸契約が開始するときには、大家さんや管理会社の人が立ち会って、部屋の状態のチェックをします。その時の部屋の状態をプロトコルに残すのですが、この作業が実はとても重要です。いつ重要になるかというと、入居時ではなく、退去時に重要になるのです。退去するときにもう一度部屋の状態をチェックするのですが、壁紙に傷がついている、キッチンの棚が閉まりにくくなっているなど細かくチェックされ、破損部分が見つかると敷金から引かれてしまいます。もとからあった傷や破損部分は、あらかじめ報告しておきましょう。入居後に発覚した場合は、メールなど証拠が残る方法で報告し、写真も撮っておいてください。
②住民登録(Anmeldung)
ドイツでは、2週間以内に居住地の市役所・区役所等での住民登録が法律で義務付けられています。またこの登録は、銀行口座開設や税務関連手続きにも必要となることがあります。住民登録のために予約が必要な場合も多く、大都市などではオンラインで予約ができますが、都市部では予約が3か月先なんてこともありますので、早めに行動することが重要です。必要書類は以下の通り。
- パスポート住居提供者の署名入り登録書類(Wohnungsgeberbestätigung)
- 申請書
特に②の住居提供者の署名入り書類(Wohnungsgeberbestätigung)は大家さんからのサインが必要で、住民登録手続きの際に持っていないと出直しになってしまうので要注意です。
ステップ2: ドイツ生活の基盤を整える|携帯・光熱費・ネット契約
①携帯電話の契約
おすすめはプリペイド契約です。必要な分だけチャージして使う形式で、最低契約期間の縛りもありません。チャージしなければそのまま解約となるものもあります。プリペイド契約のSIMカードはスーパーなどですぐ購入でき、電話番号も付与されていますので、次のステップで必要な電気・ガスの申し込みなどに使えます。Aldi Talk、Lebaraなどが格安です。
家のインターネットを契約せず、携帯電話からのテザリングで間にあわせようという人にとっては、プリペイドSIMでは毎月使用できるギガ数が足りないかもしれません。その場合はプリペイドではなく、通常契約がいいですね。代表的なプロバイダーはTelekomやVodafone、O2といった会社です。通常契約の場合、会社によって最低契約期間が設けられていますので、駐在や留学など、滞在期間が決まっている場合は注意が必要です。
②電気・ガスの契約(Strom und Gas)
電気(Strom)とガス(Gas)の契約は住居に入居した直後に手続きが必要です。ガスが通っていないアパートもありますので、確認が必要です。電気やガスの契約が遅れると、代表的な会社はVattenfallやGasag、EprimoやE.ONといった会社です。会社によって基本料金や使用料金が違うので、Check24のような比較サイトで比較してみるといいかもしれません。
③ インターネットの契約(Internetanschluss)
ドイツではインターネット契約から開通までに時間がかかります。申し込みから利用開始まで数週間以上かかることもざらですから、仕事ですぐに必要になる場合は、テザリングなどすぐにインターネットを使える状況を作っておきましょう。代表的なプロバイダーは携帯電話の会社と同様、Telekom、Vodafone、O2、1&1などです。インターネットの契約も最低契約期間が設けられていることが多いので、注意してください。
ステップ3 ドイツ移住に欠かせない滞在許可の申請
ドイツで長期滞在を希望する場合、滞在許可(Aufenthaltserlaubnis)が必要です。ビザなし入国した場合は、ビザなし滞在期限内に、日本でビザを取得してきた場合はビザの期限が切れる4-8週間前には、居住地の外国人局(Ausländerbehörde)で手続きを行います。
以下に基本的な流れをご紹介します。
1. 必要書類を準備
- パスポート
- 住民登録証明書(Meldebescheinigung):入居後、市役所で住所登録を済ませて取得。
- ビザ:日本のドイツ大使館で就労ビザや取得してから入国した場合は、発行済のビザのページのコピーを提出します。
- 滞在目的を証明する書類:例えば、雇用契約書(就労)、大学の入学許可証(留学)など。
ー 健康保険証明:ドイツの公的または民間保険に加入している証拠。
- 経済能力の証明:銀行残高証明書や給与明細、学生の場合は閉鎖口座など。
2. 外国人局での予約
ドイツの外国人局は事前予約が必須で、多くの場合オンラインで予約を受け付けています。都市によっては先に必要書類をオンラインでアップロードするように指示があるところもあります。都市部では予約が混雑しやすいので早めの計画が重要です。
申請書類や予約方法は各都市の外国人局によって違いますので、外国人局のページで確認してください。「都市名 + Ausländerbehörde」で検索すると出てきます。
3. 面談と手続き
予約日時に必要書類を持参し、外国人局で手続きを行います。面談では滞在目的や経済状況について確認され、対面でサインをして、指紋を採取します。すべて問題がなければ4週間前後で滞在許可カードが郵送されるか、または外国人局で受け取りができます。
手続きの進行には時間がかかるため、早めに外国人局とコンタクトを取ることが重要です。また、外国人局ではドイツ語または英語で対応されるため、言語サポートが必要な場合は同行者を連れて行くと安心です。
外国人局での手続きは煩雑ですが、しっかり準備をすればスムーズに進められます。
ドイツ移住直後は、生活をスムーズにスタートさせるために、住民登録や滞在許可申請、電気やガス、インターネット、携帯電話、銀行口座の準備が不可欠です。日本とは違い、ドイツではそれぞれの手続きには時間がかかることが多いため、早めに準備を始めましょう。これらの基盤を整えることで、ドイツでの新生活を安心して始められるでしょう。