ドイツ留学を検討中のあなたへ!語学留学から専門/大学まで詳しく解説

留学というと日本人の多くはアメリカやオーストラリア、カナダといった英語圏を想像する方が多いかもしれませんが、そこをあえてドイツで、という方も少なくはありません。人気の理由は、ロンドンやパリといった他のヨーロッパ都市に比べて比較的生活費が安いこと、大学の学費も英語圏と比べると格段に安いことなどがあげられます。語学留学だけじゃない、ドイツ留学ならではの魅力に迫ってみました。

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ドイツ留学の基礎|語学学校でドイツ語を学ぶメリット

1. ドイツ語学習のメリット

ドイツ語は西ヨーロッパで最も話されている言語で母語話者数は9000万人を超え、ビジネスや学問においても非常に重要です。ドイツ語を学ぶことで、ドイツ国内だけでなく、オーストリア、スイスなど他のドイツ語圏の国々でも仕事や生活の幅が広がります。

                                             

2. 語学学校選び

ドイツには多くの語学学校があり、人気の都市には特に充実したプログラムがあります。ドイツと一口にいっても、都市によって全く違った顔を持っています。ベルリン、ミュンヘン、フランクフルトなど大都市のみならず、ハイデルベルクやフライブルクといった地方都市にもドイツの魅力はいっぱいあります。各都市の文化や雰囲気に合わせた学校を選びましょう。学校選びの際は、カリキュラム内容や居住場所の提供の有無、学校の評判などを確認しましょう。また市民大学(Volkshochschule)という、各地にあるカルチャースクール的存在の学校でもドイツ語コースを提供していて、コースによっては語学学生ビザを申請可能です。市民大学でのドイツ語コースは民間の語学学校より格安なことが多いのがメリットです。

3. 必要な準備

滞在許可:ドイツで90日以上の滞在を希望する場合、学生用の滞在許可を現地の外国人局で申請する必要があります。申請には、語学学校からの入学許可証、閉鎖口座での十分な資金証明、健康保険証明などが必要です。語学留学用の滞在許可を取得する場合は、国から認可を受けている語学学校のインテンシブコースに申し込んでいることが条件です。夕方だけのコースなどは当てはまらないことがあるので、注意してください。語学留学用の滞在許可は最長1年分発行されますが、大学入学の準備目的で語学学校へ通う人のために、最長2年分まで発行される大学準備用の滞在許可もあります。

ドイツでさらに専門性を高める|大学と専門大学の違い

ドイツで大学(Hochschule)に分類される教育機関には2種類あり、1つは総合大学(Universität)、もう1つは専門大学(Fachhochschule)と呼ばれます。この2つの違いは何でしょうか。

1. 総合大学(Universität)

ドイツの大学での学位取得には通常、最短でも3年(学士)から5年(学士+修士)かかります。

総合大学は専門的な学術分野を深く総括的に学ぶことが目的です。

総合大学の特徴は以下の通りです。

- 理論的な教育と研究に重点を置いています。

 - 学問的、理論的な基礎を深く掘り下げることが目的で、研究活動が盛んです。

 - アカデミックなキャリア(例:研究者、大学教授)や、高度な理論的知識が必要な職業に進むことを目指します。

- 修士課程まで進むことが一般的で、博士課程へ進む人も少なくないです。

ドイツの博士課程はお給料が支払われますので、日本人がドイツで博士課程に進む場合は、労働許可の申請が必要になる場合があります。  

                                               

2専門大学(Fachhochschule, FH)

大学に対し、専門大学は専門的な知識をビジネスキャリアに生かすことを目的にしています。

専門大学の特徴は以下の通りです。

  • 実践的で職業指向の教育に重点を置いています。
  • 学問的な理論よりも、現実社会での応用や実践スキルが重要視されます。
  • インターンシップや企業との連携がカリキュラムに組み込まれており、卒業後すぐに実務に携わる準備ができます。

職業訓練で即戦力に|デュアルシステムの魅力

ドイツで職業に直結した専門的なことを学びたい場合、職業訓練(Ausbildung)というシステムで学びます。具体的には、職業訓練学校(Berufsschule)でデュアルシステムと呼ばれる教育制度の下で行われています。デュアルシステムとは学校で理論を学ぶ期間と実習期間がセットになっているもので、企業での実務経験を得ながら学べるシステムです。

職業訓練(Ausbildung)で学べる職業は、事務職やマーティング、貿易や物流、電気技術者や自動車整備士、看護師、医療事務、介護職、IT技術者やソフトウェア開発者、ホテル業やデザイナー、調理師など多岐にわたります。

卒業後は、即戦力として働くことができるため、職業に特化したスキルを身につけることができます。

期間は通常、2年~3年が一般的です。

専門大学との違いは、入学資格の違いです。大学や専門大学はAbitur(アビトゥーア)と呼ばれる高校卒業試験(大学入学試験に相当)に合格していることが条件ですが、職業訓練(Ausbildung)には必要ありません。

ドイツ留学を成功させるためのポイント

ドイツ留学を成功させるためにはいくつかの重要なポイントがあります。

  1. 留学の目標を明確にする

上記のように、一口にドイツ留学といっても、いろいろな選択肢があります。学びたい分野や取得したい資格を明確にし学業目的を設定したり、キャリア目標として留学後のキャリアにどのように生かすかあらかじめ考えておくことが重要なことは言うまでもないですが、個人的な目標として文化交流や新たにチャレンジしてみたいことなど、留学中に達成したいことをリストアップして可視化してみるといいかもしれません。

  • ドイツ語スキルを高める

一部の大学や大学院では英語だけで授業が受けられることもありますが、多くの大学、職業学校はドイツ語で授業が行われます。日本にいるうちからB1かB2くらいのレベルを目指してドイツ語学習を進めておくと、渡独後にスムーズに生活が始められます。

今回は語学留学だけでない、ドイツ留学のメリットに迫ってみました。

ドイツに留学する際、どのような教育機関を選ぶかは、自分のキャリア目標や学びたい内容によります。簡単にまとめると、

①語学力アップに注力するなら語学学校留学

②学問的な探求や研究職を目指すなら総合大学

③実務的なスキルを身につけて企業で活躍したい場合は専門大学

④キャリアに直結することを学びたいが、ドイツでの大学入試資格がない場合は職業訓練学校

という選択肢になります。

留学は毎日が挑戦の連続ですが、や新しい出会いを楽しむことが大切です。小さな成功体験を積み重ね、自己成長を感じながら、前向きに過ごしてくださいね。